未来のある日。

◎7月9日(木)

 例えば、こんな風景を前にして、あなたならなにを想うでしょう?

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 ここは何処?
 ここに暮らしたい。
 田舎にはちょっとね・・・。

 いろんな想像があっていいのだと思います。

 私たちはいつも「未来のある日」を想像しながら生活しています。
 選択肢を前に考察をめぐらす時にはなおさらです。
 つまり、家づくりも同じなのです。

 以下は、ある建主さんとのメールのやりとりです。
 図面を読んで、未来のあるシーンを想像することの大切さをお伝えしようと書いたものです。

図面を細かく見ました。

2階トイレに関する外観は全く問題ないと思います。
子ども部屋などを設ける際に天井高さを確保するようにこのようなドーマー窓に
することがありますが、その際には突き出た部分の屋根と壁を他の屋根と同じく
ガルバリウムにするのですが、質感が同じ板金仕上げなので、違和感はありませ
ん。そのガルバリウムを銀黒色にして窓枠の幅を少し広めの白色とすれば、その
色のコントラストが意匠の一つになるのではないでしょうか。
ただし、あくまでも屋根をすっきりと見せたい、シンプルなインパクトが欲しい
と言う場合は元通りの窓のない勾配屋根にすべきでしょう。その際は、トイレの
位置も元通りで、クローゼットの使い勝手も元通りだと思います。
もう一つこの西側の位置にトイレを設けることの意味を考えると、そうすること
で明るいトイレになるし、ドーマーの上部に高窓を設けると、夏はその窓を少し
開けてあげることで煙突効果が生まれ、1階から上がってきた暖気がその高窓を
介して外部に抜けていくことが考えられます。トイレのドアを少しアンダーカッ
トしてあげれば効果は高まることでしょう。前回同様の位置にトイレがある場合
は北向きの位置なので、明るいトイレではなく、落ち着いた感じになるのではな
いでしょうか。
以上のように思いました。

その他で気になったのは、やはり洗面脱衣室の前の開口部を小さな窓にするか、
掃き出し窓にするかという問題です。階段前の縦格子は良いと思います。

洗面脱衣室でどのようなシーンが浮かぶか考えたいと思います。

朝です。
顔を洗って、歯を磨きます。
キッチンからは浴室のドアが見えています。お風呂の換気の関係で夜寝る時にト
イレと洗面室の間の間仕切りを開けておいたからです。
キッチンからちょっと遠くに浴室が見えるとき「我が家って広いんだなあー」と
感じます。
なんだか開放感に包まれながら素足で洗面室へ行きます。
両手で冷たい水をすくって顔を洗い、それでかなり目がさめます。
歯ブラシに使い慣れた歯磨き粉をつけて、口に入れ、三面鏡を見ながら、自然の
ややさきを感じて振り向くと、なんと窓越しのウッドデッキに鳥が来ています。
それが縦型ブラインドの隙間から見えたので、そっと近づいていって、ブライン
ドに手をかけた瞬間に鳥は飛び去ってしまいます。なんだか、ほっとした気持ち
になって、ウッドデッキに出ると、今日はいい天気です。
心地いい風が吹いています。ウッドデッキに置いてあった木の椅子に腰かけて歯
磨きを続けていると、ダイニングから子どもたちが出てきます。早起きした子ど
もたちは「おはよう!」と元気な声を出してデッキに出てくると小さなベンチに
座って・・・・・・・。

開口部を掃き出しにするというのは、こういう暮らしをイメージできるからです。
もちろん、反論があります。脱衣室を大きな窓にするのは不用心で落ち着かない!
その通りです。特に女性の大半はその意見に賛成することでしょう。
しかし、添付写真のような縦型ブラインドをつけて脱衣室を使用している時には
閉めておくだけで外から見えなくなるのも事実です。南側の隣地との境界に木塀
を立てるともっと安心です。

私だったら、開放感と自然な回遊性を選びます。ウッドデッキを洗面脱衣室の前
まで延長したのはこのような生活シーンを実現するためでもあったのです。

でも決めるのは建主である◎◎さんたちですよ〜!
私はできる限り未来のシーンを伝えることができればと思っています。

そして、そんな開放感を味わえば味わうほど、小さな子どもたちの感性も伸びや
かになるものと私は思っています。常識の器の中では常識に従った感性しか育た
ないけれど、新しい可能性を持った空間ではインターナショナルな新しい感性が
育まれるような、大袈裟に言えばそんな風に感じています!

2015-09-02 | Posted in 365day's galleryNo Comments » 
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