2階建てなのにFLATとは、いかに?

5月9日(土)

 雨か曇りか、さてどうなることやら。
 そんな気持ちで迎えた本日は、地鎮祭。長期予報では晴れだったのが、曇り
に変わり、それが数日前に雨を告げておりました。地鎮祭、できれば晴れて欲
しいのですが、この日も居たのですね、雨男が。
 そして、本番。
 見事なもので、ほとんど感動しました。地鎮祭は午前10時からはじまり、10時
30分に終わったのですが、雨がピタッと10時30分に上がったのであります。つ
まりは神様、雨男にも地鎮祭にもご配慮を賜り、それぞれの顔というか都合を
立ててくれたのではないかと推察いたしました。
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 あのピンクの部分に家が建ちます。
 建主のK様は、弊社がブランディングするフォレストバーンを気に入っていた
だき、その中でも特に平屋プランのFLATが気になられたご様子。ところが敷地
条件的にそのままの平屋プランを配置することができず、一部を2階へとレイア
ウトしたのです。

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 それでも、モデルプランFLATの持つ意匠性はしっかりと確保。そしてキッチ
ンをコアとして空間が外へと広がっていく伸びやかさを実現したプランが完成し
ました。FLATというネーミングなんだから、平屋でなきゃダメとかそんな硬い
ことは言わないのが、僕らがめざすカスタマイズド住宅のいいところ。建主の
本音に合わせてなんとかリアルにプランを成立させていくのです。よくある質
問に『どこまでがカスタマイズなんですか?』という声があるのですが、今回
はそれを象徴的に物語るケースだと思います。つまり『モデルプランがあって、
それを元にして建主と僕らが共に考えて進んでいけば』それをカスタマイズと
呼ぶということです。結果として〝新しい〟考え方がそこに誕生していても、
プロセスを共有できていれば、共に満足度は高いはずです。

 この日感動したことがもう一つありました。
 神主さんが祝詞を奏上している間に、小学生になるKさんちの坊ちゃんが、一
歩また一歩とその神主さんに近づいていったのです。このまま行けば、神主さん
に激突! という瞬間に、お母さんの腕がニュッと伸びて息子を元の立ち位置に。
息子さん、どうやら祝詞のリズムで快眠状態に入ったようです。それにしてもお
母さんの行動もごく自然な感じで、Kさんちではこんな風景がよくあるんだろう
なあと、ほのぼのとした気分になりました。

 この日地鎮祭を行ったこの土地は、僕が不動産会社から依頼されて土地分譲を
お手伝いしたものです。結果としてはこのK邸の土地のみをご紹介したことにな
ったのですが、他の区画は僕らが出した現地看板を見た工務店さんが買い取った
りして、なんとか完売に至りました。これもご縁ですね。安心しました。

2015-05-22 | Posted in 365day's galleryNo Comments » 

2015GW

◎5月3日(日)〜6日(水)

 ゴールデンウイークはあまり遠出しないようにしています。渋滞に巻き込ま
れるのが嫌だからですが、二人の娘たちが巣立った今となっては、この時期に
わざわざ田舎まで帰郷する必要がなくなったのも大きな要因です。子どもたち
が小さな頃には田舎の親父やお袋に会わせ、僕らが育った田舎の風景を目に焼
き付けてほしいこともあって渋滞の海の中へと敢えて突入していったものです。
アウトドア用品も一揃え購入し、移動の途中で高原や草原、海や川へも立ち寄
ったりして、活動的に日本民族の大移動をエンジョイしていました。
 今年は気分転換のゴールデンウイークでした。

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 まず大型のホームセンターに行って天板と脚を買い、自宅に戻ってインパク
トを使ってテーブル造り。窓際で食事を楽しむための丸テーブルが完成しまし
た。以前から欲しかったアルミ鍋も購入して季節野菜を使ったオイルパスタを
料理してその丸テーブルで夕食を! 
 近頃はまっている珈琲豆の焙煎にも何度かチャレンジ。500グラムを一度に
焙煎できる中型のハンドロースターの使い方を工夫してみたり、新しく購入し
た銀杏煎り器を使ってみたりもしました。銀杏煎り器の方が網を通して豆が色
づいていくのが見えるし炎と器の距離を手で簡単に調整できるので使いやすい
のは当然なのですが、約2万円で購入した中型ロースターの方がお値段の価値
はあって豆を空中回転させることができるのでムラなく焙煎できるのも事実。
インターネットを介して購入したパプアニューギニアのトロピカルマウンテン
とブラジルはFノッサセニョラデファチマ農場の無農薬の生豆の著しい変貌を
楽しむ珈琲焙煎はやればやるほど奥が深く、当分は試行錯誤が続きそうです。
焙煎した豆をいつものグラプレのシェフに評価してもらおうと持っていったら、
後日ニンマリと笑いながら彼曰く「火が通ってないみたい」。そこで気づくの
が素人で、そうかこの焼き色は浅煎りの色ではなくそれ以前の段階だったんだ
〜。そうかそうか、それならコンロの火をもうすこし強くしてみようか、いや
いやあまり強めるとこの前みたいに豆に火が燃え移ってしまうかも(この時は
さすがに慌てて燃え上がるロースターごとシンクにざばっと運んで水にさらし
て火を消したのですが、そんな事実は典子さんに言うわけにもいかず・・)こ
んな経験を伴いながらも楽しくいれた珈琲は会社での家づくり打合せやイベン
トなどで身勝手ながらも皆さまに振る舞わせていただいておりますので、その
節うんちくを述べる私めが居りましたら、どうぞご容赦ください。
 珈琲焙煎。男の火遊び的趣味としてお薦めです。それに、この学びながら独
自の自分味を発見していくプロセスは、家づくりの愉しみそのものでもありま
す。ぜひぜひ、チャレンジしてください。
 そう言えばコンテナガーデンの葡萄の蕾がつきました。冬の間は枯れ木のよ
うに見えていた細い枝から新芽が吹き出して蔓が天に向かって伸び、隣の樹木
にからまっていくので、毎朝、蔓を支柱の方に巻き直すようにしています。テ
ーブルの上に置いたカモミーユは佐賀のハーブガーデンの庭に咲いていたもの。
ハーブの香辛料を買ったらそのハーブ園のオーナーが勝手に摘んでいっていい
ですよーと言ってくれたのでいただいてまいりました。そのオーナー、もう二
十年以上も前から知っていて、行く度にハーズ使いのノウハウを教えていただ
いています。遠出しないはずだったのに、渋滞が生じないはずの5日にちょこ
っとお出かけして(正解でした!)ハーブの香りを楽しんできました。
 もちろんすこしは仕事もしたりして、朝倉のオーガニックアパートメントに
寄ったり打合せしたり、その帰りに近くの山に登ったりして、2015年のゴール
デンウイークは過ぎていきました。
 僕にとっては、何かを造るのが気分転換になるようです。新しい何かを造る
ことにチャレンジしている時間が、僕にとっての豊かな時間なのです。

2015-05-16 | Posted in 365day's galleryNo Comments » 

こころ、ひらく。まちに、ひらく。

4月25日(土)

 完成して半年。お声かけをいただき建主さまの暮らし心地拝見を兼ねてみんなで集まりました。
 冬に植えた樹木からは新芽が芽吹き、ローズマリーやヒメイワダレソウの
緑も濃くなり、建主さまが植えられたブルーベリーたちも元気に陽光を浴び
ていました。

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 よく見ると不思議な光景です。
 なんと、土留めに木を使っているのです。一般的な発想としては、ここは
ブロックを使うところ。しかし〝進化した木〟の登場によって、こんな木の
使い方(デザイン)も可能になったのです。
 それにしても、この〝町への開き方〟! 実に潔いではありませんか。

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 「どうぞごゆっくり」とばかりに、その土留めの一角にはベンチまで設え
てあります。ご近所のおじいちゃん、おばあちゃん、暑い夏の陽射しに木陰
を求める歩行者のみなさん、よろしければ腰かけていかれませんか? 
 そんなデザインを僕は「こころ、ひらく。まちに、ひらく」と名付けまし
た。最初の頃は遠くから〝建築家との家づくり〟をご覧になっていた建主の
Iさまを思い出し、次第に僕らに打ち解けていただき、建築家と面談し、土
地が決まり、いろいろなご要望をお話いただく過程で、建築家にも心を開か
れていったプロセスまでが頭に浮かびました。
 心を開いて、プランを見て、町に開いた家を建てられたのです。
 僕はこの庭づくりの大任を仰せつかっていたので、ガーデンプランやら植
木屋さんらをご案内したのでした。

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 外壁も引戸も棚類もすべてグレーで統一しています。
 素敵な〝見せる収納〟になりました。

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 丸テーブルは950径。このサイズがなかなかいいんです。

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 持ち寄った料理とお酒で乾杯! なんと7人まで座れました。
 天井も床も杉を貼った空間の気持ちよかったこと。
 今度は樹木たちがもっと生い茂った初夏にうかがわせていただきます。
 ありがとうございました!

2015-05-12 | Posted in 365day's galleryNo Comments » 

これでいい家。

◎4月21日(火)

 これでいいのだ。というセリフは赤塚不二夫的な自己肯定的哲学が背景にあ
るわけですが、それを自己主張型にすれば『これがいいのだ』という表現にな
るのではないでしょうか。
 ですから、『これでいい家』というタイトルには、やや控えめに、自己肯定
的な範疇に我が身をとどまらせ、なおかつこの家の中には住まい手が必要とす
る要素が必要最小限に収められていて丁度程よいという意味合いも込めたもの
なのです。そこには、〝もったいない〟的な日本人の節約思考もシンプルに含
ませたように思います。
 この日は、そんな『これでいい家』の棟上げでした。

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 夕暮れ迫る中、白いヴェールの向こうに『これでいい家』のシルエットが薄
ぼんやりと浮かびあがって見えています。
 足場を歩いている大工さんと比較しても解るように、この家は小さい、実に
コンパクトなのです。

 この家の建主のG様は、随分と以前に開催したワークショップイベントにご参
加いただいたのがご縁で家づくりのご相談をいただきました。その間数年が経
過していますから、いろんな住宅もご案内していたのですが、実際の家づくり
のスタートは、僕が描いた最小限住宅のモデルプランでした。一世帯で暮らす
最小限住宅は何坪くらいで成立するのか? ある雑誌で見たコンテナハウスの
写真を元にイメージを膨らませ、『ウッドコンテナ』という勝手なコンセプト
に基づいて描いたのが約12坪の平屋です。

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 最小限だけど、いや最小限だからこそ壁厚を充分にとって断熱にも気を使う
と共にその厚みを壁収納にも活用したい、そんな思いで描いた小さな家のイメ
ージです。
 すると、数日後、G様が投げ返してきたのが約16坪の間取りプランでした。
プラスされた4坪の中に、G様のリアルな生活が落とし込まれていたのです。
その後、この二つのプランを元に建築家に正式に設計依頼してこの日の棟上げ
に至ったのが『これでいい家』です。
 それは、コンパクトだけれど、すごく広く暮らすことができる空間の広がり
を奥行きと高さで持っていて、一つのアイデアで収納スペースも確保している
大変優れたプランです。言い方を変えれば、この家は、それぞれの思いのキャ
ッチボールで誕生した家ということができると感じています。

 家は住まい手の熱いハートを映すモノ。だから、こんな風な参加型家づくり
が理想だと僕は考えています。それに人は元来クリエイター的な資質を備えて
いるのではないでしょうか。子どもは遊びを発明する天才だと言われています
が、大人だって、ボタンの掛け方次第では、自分の中に眠っている創造本能を
揺り起こすことができるのです。

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 棟上げの合間をぬって、現場でサッシやコンセントの位置を確認しました。

 「これでいい家」は、一世帯住宅ならば〝これでいい〟し、平屋ならば〝こ
れがいい〟という理想を内包しています。だからコンパクトだけれど、胸を張
って「これでいいのだ!」と自慢できる家になっています。

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 夕映えに包まれた美しい佇まいをみんなで眺めながら、おそらくこの家づく
りに参加している人それぞれが感無量だったのではないでしょうか。
 穏やかな瞬間が、そこにありました。

2015-05-08 | Posted in 365day's galleryNo Comments » 

どこへ、何を、開くのか?

◎4月16日(木)

 この日は、大安。自宅から徒歩で数分の場所で地鎮祭でした。この辺りは高
宮、市崎エリアといって小学校の校区で言えば、西高宮小学校に通う人気の地
区。特にこの日のこの場所は、福岡市内を遠望できる小高い丘の上に位置して
いて、風致地区ということもあってか、緑が濃い町並みが広がっています。
 地鎮祭の祭事をお願いしたのは高宮八幡宮さん。これもこの地区に古くから
あるお宮さんで、我が家の三社詣ではギャラリーのある今泉にほど近い警固神
社と共に必ず詣でさせていただく神社です。

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 祭壇の向こうに微かに遠望できるのが福岡市内。こちら側が北向きです。福
岡市は日本海に向かって開く地形なので、ビューが得られる側、すなわち山が
海へ向かって下っていく側は北向きのことが多く、この場所もまさにその典型。
反対側の南に向かって開いたような設計で家を建てると、目の前には隣家のリ
ビングなどが面することが多いため、このように北に向かって開く設計を採用
するケースがほとんどです。

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 みんなが座っているパイプ椅子のあるこの辺りに、ちょうどキッチンがあっ
て、その南寄りの手前がリビング。だから採光そのものは南側から獲得できる
ようなデザインになっているのですが、外観は北向きに合わせていて、浴室も
北側からのビューを得られるようにしています。
 『どこへ、何を、開くのか?』それは、家づくりでいつも大切なテーマです。
この家の場合は、アプローチや外観や浴室を北側のビューや社会性へと開き、
毎日の暮らしに必要な採光を求めてリビングを南側に配置しました。北と南へ、
それぞれの役割を開いた住まいなのです。
 
 「社会性へと開く」と書きましたが、今目の前にある物だけに限らず、住ま
いが開いていく先には様々なモノやコトがあります。町や風景、眺望、自然な
どはもちろん、自分の心やコミュニケーションの取り方なども〝開いて〟いく
要素の一つです。
 家を造るのは、専門家だけの仕事のように思われがちですが、その考え方は
実にもったいないことです。建主こそが家づくりの中心に居るべきです。そん
なことができることを知っていただいて、自分の心を開いていくと、そこにい
ろんな可能性が見えてきます。
 この日の午後は、新しいモデルプラン開発のミーティングを行いました。

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 この小さな模型を巡って、そこで営まれる多様な暮らしを想像しながら話を
しました。このモデルプランも建主さんの心を自由な想像に向けて開いていた
だくための一つの提案です。
 どこへ、何を、開くのか?
 これは、とても大切な、そしてとても楽しいテーマです。
 

2015-05-07 | Posted in 365day's galleryNo Comments »